エイシア・ヴォイドの物語
- 2019.03.30 Saturday
- 00:04
キリスト信者の家庭に育つということは、親と違う考えはいつも否定されるということを意味していました。家族の規範から外れるかもしれないと考えただけで、私の中には恐れが生まれました。ですが家族の中で一番若く、唯一の女の子だった私は、そうした両親の信念から遠く離れたことをいろいろと体験し、知っていました。3歳の時には、私は天使や精霊や動物たちとのおしゃべりを楽しんでいました。自分の霊的な世界と、親のキリスト教的な伝統との間の亀裂をさらに広げたのは、私の過去世に対する強い関心でした。
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その頃、私は人を見ると、その人の顔が変わっていくのが見えました。その時はこの奇妙な現象を理解できなくて、これはきっと悪いことであり、「神様から遠い」ことかもしれないと思っていました。それは他の人は誰も体験していないようだったからです。多分、他にも私には何かおかしなことがあったのかもしれません。ですがそれを口にして傷つくのが怖くて、真実が知りたいとは思いましたが、それを人に話すことはありませんでした。
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1987年の冬、私の乗っているバンに小型トラックが衝突し、23歳の私の体は車の中に閉じ込められました。車は燃え上がり、激しい炎が私を襲いました。パニックに陥った私は、ドアを開けようとしましたが、どのドアも曲がっていて開けることができませんでした。息ができず、ほとんど失神しかけた時、私の守護の天使が現れました。茶色の巻き毛が彼の顔を取り巻き、皮膚は彼の身体を覆っている栗色と灰色と青の衣と同じように滑らかでした。
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奇跡的に、彼は半分開いていた窓を通って、炎の中から私を救い出しました。私は何とか生き延びたようですが、身体の約7割を火傷したうえに、「多重合併症」を引き起こしました。私は最も重症の患者として2か月間、ICU(集中治療室)に入れられました。呼吸の一つ一つが、私の最後の呼吸になるかもしれませんでした。
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突然、私の呼吸器の警報が作動し、看護師や医師が私の元へ駆けつけました。「コードブルー!」と彼らは逆上して叫びました。私は死にかけていました。そして私の霊的な身体はそこから浮き上がり、ドアを通り抜けて夜の広い星空へと抜け出しました。そこには1人の女性と2人の男性が待っており、自分たちは霊界のマスターだと名乗って私を出迎えました。着心地の良さそうな自然な色の衣を身に着けた彼らは、知恵と優しさを放っていました。
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そして、「あなたのことはすべて知っています。神の代理として自分たちはあなたに自分の人生について教え、あなたを愛へと導いていく役目があります」と言いました。「あなたは霊と結びついていた子ども時代を忘れてしまいました。大人になってから、あなたは恐れでいっぱいになっています」と年配のマスターが言いました。「私たちは、あなたがかつて持っていたワンネスを取り戻すために教えます。そしてあなたを助けるために、あなたの他の人生を見せましょう」。
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私は、「他の人生って過去世のことですか? 私はキリスト教の信仰で育ちました。神父様は人生は一つしかなく、その後は天国か地獄に行く、と聞いています」と言うと、「それは正しくありません」と彼は答えました。
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「人の顔が変わるのが見えたり、その人の周りの情景全体が動き出したりするのは、その人の過去世なのですか?」と訊ねると、「その通りです」と女性のマスターが答えました。「私が作り出したものではないのですね?」と私は大きなため息をつきました。私は何もおかしくなかった、気が違ってたわけでもなかったのです!
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その瞬間、何気なく下を見ると、ベッドに横たわる私の焼け焦げた命のない体が見えました。医者や看護師が私を蘇生させようと努力を続けていました。数分間過ぎただけなのに、それは何時間にも感じられました。私は自分の注意を、再びマスターたちに向けました。
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「さあ、授業を始める時間です」とマスターたちが言いました。「あなたには、一つは恐れから、もう一つは愛で生きた同じような人生を見せます。この二つの人生は、あなたとあなたが接した人々に大きな影響を与えました。この体験はあなたを恐れから愛を選択する方向へと導き、あなたの人生を変えていきます」。
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マスターが腕を上に挙げると、いくつかの光のスクリーンが私を取り囲みました。「過去世を見る用意はできましたか?」と彼らは言いました。スクリーンに一人の男が現れ、巨大な地下倉庫の中で穀物の袋を動かしています。袋の数を数えている彼の長い上着が、泥の床に垂れています。袋の数を記録しながら彼は唇をすぼめ、「これでは足りない」と言って頭を振りました。そしてもっと明るい別の部屋へ行くと、椅子にドシンと座り、机をこぶしで叩きました。
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するとドアが開いて、布で髪を包んだ若い女性が彼の足元に倒れ込みました。彼女は両手を握り締めて彼に懇願しました。「家族が飢えています。助けてください。あなたが最後の望みです」。彼女は泣きながら握りしめた両手を高く上げました。彼女の目は彼の顔に、情け深い反応を必死で見つけようとしていました。
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「お前にやるものは何もない。帰れ!」男は立ち上がり、上着を翻(ひるがえ)しました。布の固い縁(ふち)が床を叩き、彼女の顔にほこりの渦を浴びせました。「いいえ、あなたはお分かりではありません。私たちはあなたの穀物をいただけないなら、死んでしまいます」。彼女は男に乞い続け、彼の上着の裾を掴みました。
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「出て行け!」。彼は彼女を壁の方に押しのけました。彼女はドアからよろめくように出て行き、待っていた家族のほうに行きました、すると子どもが駆け寄って来て彼女の腰に腕を回しました。しかし彼女は息子を地面に突き飛ばすと、「やめなさい!」と怒鳴りました。彼女は絶望してすすり泣いていました。
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スクリーンが引き上げられ、それを見て怒りを感じていた私は言いました。「なんて酷い男! どうしてあの男は私をあんな風に扱えたの?」すると三人のマスターたちは、優しい笑みを浮かべて私を見ながら答えました。「あなたはあの男だったのです」。その時、真っ赤に焼けた鋼鉄の棒のようなものが、私の胃を突き刺したような感覚を覚えました。私はそれを飲み込もうとしました。
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「多分、彼女のための食糧はなかったのでしょう。誰か他の人のためにあの穀物が必要だったに違いありません。あるいは翌年の収穫のために植える穀物が必要だったとか・・・」 私は自分を守ろうとしてくどくどと弁解してしゃべり続けた揚げ句、ついに叫びました。「私はNOと言わねばならなかったのです!」。
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彼らは優しさを込めて言いました。「問題は、あなたがNOと言ったことではなく、それを閉じた心で言ったことなのです」。私は肩を落とし、「どうすれば愛を持ってNOと言えるのかわかりません」。すると、「実はあなたは知っています。あなたが愛に溢れた心を持っていた人生を一緒に見てみましょう」。私は震えながらスクリーンに目を戻しました。
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そこには髪を腰まで垂らした若い女性が映っていました。彼女は一人の男が穀物の袋を横にした上に座っている部屋へ入ると、泣きながら言いました。「私の家族には食べ物がありません。お願いですからお助けください」。彼女は男の足元にひれ伏すと、両手を彼の顔に向けて伸ばしました。すると彼は体を屈めると、自分の手で彼女の手をくるみ、「申し訳ない。それはできません」と言いました。
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その声は断固として、しかも優しさに溢れていました。「あなたにも、あなたの家族にも差し上げる穀物はありません」。そう言うと、彼は優しく彼女を立たせ、ドアのほうに連れて行きました。外では彼女の幼い子どもが駆け寄って来て、彼女は息子を抱きしめました。
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スクリーンが取り去られ、「愛の心でNOと言うことができるのですね」と私は言いました。「あなたの外の状況に心を左右させてはいけません。どのような状況にいても、心を先導させることです」とマスターが言いました。私は言いました、「怖れている男として生きた時、私の態度は若い女性の中に恐れの波を生み出し、それが彼女の家族にも伝わりました。でも、別の人生で一人の女性に愛を与えた時、彼女も自分の家族に愛を与えました」。
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「その通りです。私たちは皆つながっています。一人の幸せは他のすべての者の幸せに織り込まれるのです。愛を与えるか、恐れを与えるかによって、すべての人だけでなくすべてのものに影響を与えます。ここで学んだことを他の人に伝えるようにしてください。人は霊的な癒しを受けるために、臨死体験や死の体験をする必要はありません。指導を受ければ誰でも、自分自身の過去世を見たり感じたりすることができて、そこから学ぶことができます」。
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あなたにもっと教えるために、自分たちはまた戻って来るが、あなたは今、自分の体に戻る時が来た、とマスターたちは言いました。医者たちは私を蘇生させたのです。瞬間、私は肉体の重さと痛みを感じました。何週間かが過ぎ、その間、マスターたちはずっとやって来て、私を指導してくれました。また私が完全に回復するための忍耐力を、自分の中に発見するのを助けてくれました。
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こうした霊的な教えは、私の生活の基礎になりました。マスターたちは、聖なるものと一つになって壊れたと感じているものを癒す方法を教えてくれました。真実を知るために誰も私のように臨死体験をする必要はありません。必要なことは、恐れを手放し、心を開く方法を見つけることです。そして私には事故という劇的な体験を通して、目覚めへの呼びかけが必要でした。しかし、おそらくあなたには、マスターのこうした言葉だけで充分かもしれません。
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過去世がもたらすメッセージ
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